レジリエンツ・テレスコープ・デンチャーとは

[レジリエンツ・テレスコープ・デンチャー]

レジリエンツ・テレスコープ・デンチャーは、残っているしっかりした歯が3本以下の場合に強くお勧めする入れ歯です。

見た目は総入れ歯ですが、残っている歯を入れ歯に取り込むので、実際には部分入れ歯です。総入れ歯とは比較にならないほど吸着力が強くて落ちてこず、安定し、強く物を噛むことができます。歯が1本もない方の場合は1本だけインプラント(できれば2本)を入れて下さい。たった1本のインプラントで入れ歯の安定感が全く違ってきます。


それでは実際にどの様な入れ歯なのかを見てみましょう。

この入れ歯が
レジリエンツ・テレスコープ・デンチャーです。

総入れ歯のようですが、
実は歯が残っているので部分入れ歯です。
裏面の金色の部分(金冠)に歯がはまります。

上の義歯[表面]


上の義歯[表面]

入れ歯を外した状態の上あごの写真です。

残った1本の歯に金冠が入っています。

そこに入れ歯の金冠がはまります。

たった1本でもしっかりした歯が残っていれば、

総入れ歯よりはるかに安定した入れ歯を作ることができます。


入れ歯を装着した上あごの写真です。

強く吸い付いて、なかなかはずせません。

それでいて、歯への負担は小さくすみます。


下の入れ歯の写真(裏面)です。

こちらも、上の入れ歯と同様に、
金属部分に歯の金属冠がはまります。


入れ歯を外した状態の下あごの写真です。

残った歯に金冠が入っています。

そこに入れ歯の金冠がはまります。


入れ歯を装着した上あごの写真です。

吸着力が強く、安定し、強く物を噛むことができます。



レジリエンツ・テレスコープ・デンチャーは、
総入れ歯とは比較にならないほど吸着力が強く安定し、強く物を噛むことができます。 残っているしっかりした歯が3本以下の場合に強くお勧めする入れ歯です。

●レジリエンツ・テレスコープ・デンチャーのメリット

何本もインプラントを入れるよりも治療費を大幅に抑えることができ、かつ、インプラントの本数が少ない・もしくは無いので、将来的にインプラントが化膿するかもしれないリスクも抑えることができます。
インプラントと違って外科処置が無く、一般診療の範囲(歯を削る・型を取る)で治療を受けることができるので、安全性も高いです。

また、たとえ残っている歯がすべてなくなっても、その入れ歯を作り直さず、総入れ歯としてそのまま使用することができます。つまり、作り直しのリスクを減らすことにもつながります。
また、高齢となって施設に入居することになった場合、入れ歯ならば口の中の清掃が非常に楽になります。これは介護する方もされる方も非常にありがたいことです。

審美性も優れています。多数の歯を失った方は顎の土手の骨が無くなっている場合が多いです。顎の土手がないままインプラントをして被せ物をすると、無くなった土手の分だけ長い歯ができてしまいます。その様にならない為には土手を作る手術をしなければなりません。非常に大掛かりで時間と費用と痛みを伴う治療となります。レジリエンツ・テレスコープ・デンチャーは土手が着いた入れ歯なので外科処置は必要ありません。

オールオン4というインプラント治療と比較してもメリットはあると思います。オールオン4は総入れ歯の方に対し、4本という少ない本数のインプラントで出し入れのない歯を作るという治療法です。しかし、4本のうち1本のインプラントでもダメになったら全滅という危険性もはらんでいます。レジリエンツ・テレスコープ・デンチャーでも十分食事はできます。4本インプラントを入れるのではなく、1本だけインプラント埋入してレジリエンツ・テレスコープ・デンチャーにしたらいかがでしょうか?仮にその1本のインプラントがダメになっても、入れ歯はそのまま使えます。


●デメリット

出し入れをする入れ歯であること だけであると思います。

総入れ歯の製作は非常に難しいです。粘膜の上に乗っけているだけですので、噛み合わせが少しずれただけでもスレて痛みます。高齢になってあごの土手が無くなり、筋力も無くなり、また、脳梗塞などであごの動きが健常者と変わってしまったら、通法で作るのは至難の業と言えます。

このサイトを作っている私でも、すべての患者さんの総入れ歯を満足に作るという事は、とても言えません。
総入れ歯が上手な先生こそ、達人・名医と言えると思います。

しかし、どの世界でも達人は一つかみ・一つまみであり、
しかもその人たちですら、悩み悩み仕事をし、上手くいかないこともあります。

患者さんも先生をも悩ます総入れ歯を作るくらいならば、
歯が多少なりとも残っている時点で、
テレスコープデンチャーにすることを強くお勧めします。

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【筆者】
清水 信行 歯科医師(歯学博士)

日本補綴歯科学会 専門医
日本糖尿病協会歯科医師登録医
日本顎咬合学会:認定医
JIADS:会員 PGI:会員
浜松市歯科医師会:
在宅歯科・介護委員会 所属

静岡県浜松市の歯科医
「オペラデンタルオフィス」院長として、日々数多くの患者の症例と向き合っています。

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